MENU

    看護師の関与できること【食事と栄養面について】症状別に対応しましょう

    食事をとることについて「苦痛」「辛い」という感情があれば、食欲の低下、摂食拒否に至ってしまいます。病気により抵抗力の低下した患者さんの低栄養状態は、病気の進行を助長したり、他の疾患や合併症の併発を来たしたり、褥創や感染などの期待しない悪い状況を起こしかねません。

    「美味しく食べる」「楽しく喜びを持って食べる」ことを目指して、看護師が出来る支援を考えてみます。

    食事の必要性

    体力維持、感染症予防、状態回復と悪化予防のために、必要栄養素の摂取が必要です。エネルギー、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、微量元素など食事から摂取しなければとることのできない栄養素もあります。

    バランス良く、吸収し易い、栄養素の高い食事を摂取する事により、状態回復や抵抗力・免疫力の回復を見込みます。

    しかし、食欲が無いのに無理に食べようとする試みは、食に対して良い印象を持てず、より食欲低下を引き起こす結果を引き起こしかねません。楽しく、美味しく食べることが食事摂取を円滑に進める方法です。

    アセスメント

    アセスメント

    • お腹、消化器官の状況
      (手術内容や、その経過、便秘、下痢などの腹部症状)
    • 口腔の状況
      (口腔内の炎症や疾患の有無、嚥下力、顔面筋の障害の有無、清潔状況)
    • 気分や食欲
    • 食事をとる上肢の麻痺の有無
    • 疾患や治療による症状や副作用が与える影響
    • 医師の食事に対する指示内容
    • 疾患による制限食とその理解

    症状別対応

    ・体重減少
    食べたいけれど食べられない、消化管手術による影響、極度の食欲低下、摂食障害などにより体重減少を足す場合があります。

    少量でも高カロリー、高栄養が摂取できる補助食品を利用したり、食事回数を増やして分食にする、必要時は、高カロリー輸液や経管栄養を考慮するなどの対応を検討します。

    また、制限が無い時は、食べたい時に食べられるように家族の方に差し入れ、好きな物を持ってきてもらうよう依頼する事も考えます。
     
    ・治療による影響
    抗がん剤や放射線療法におり食欲低下を来たしている場合は、副作用が強い時期を脱すれば食欲は回復します。食べにくい時は、消化し易い食事や職形態の変更、食べたいものを少しずつ摂取するなどの対応をとります。

    品数を多くし、食べたいものを選択出来るよう働きかける、盛り付けを工夫するなどの味覚以外への働きかけの工夫も行います。
     
    ・吐き気や嘔吐のある場合
    味、見た目、匂いなどが原因し、症状を悪化させてしまう事があります。
    無理に食事を勧めると、今後の食欲低下を助長することにもなる為、吐き気止めや胃腸の働きを良くする薬の使用などを医師とともに検討します。

    また、あっさりとしたもの、匂いの少ないもの、冷たいもの、飲み込みやすいものを中心の食事にするなどの対応をとります。果物や野菜、プリンやゼリー、豆腐や麺類など、一人一人食べられるものは違いますが、意向に沿い出来る限り食べられるよう支援します。また、家族や関係者に依頼し、食べられる物を揃えてもらいます。

    まとめ

    食欲低下している患者さんへのアプローチは、その原因により対処方法が異なります。食べたくない、食べられない患者さんに対して「食べなさい」という指導は容認できません。食べられる状況に工夫、変容が必要です。

    その情報を得るには、コミュニケーションを図り、患者さん理解を勧めることが最も早い解決方法なのかもしれません。

    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    目次