看護師は全国的に不足していると言われて長い期間が経ちました。現状でもまだ不足は続いているのでしょうか。離職率の高さが与えている影響についても考慮して、現状と対策についてどのような状況が生まれてきているかを理解しておきましょう。
依然として続く看護師不足と診療報酬制度
看護師不足がどの現場でも続いているのはよく知られていますが、問題として掲げられてから年月が経ったのも事実です。しかし、実際問題としては看護師不足は解消されているわけではなく、多くの施設から求人募集が絶えない状況があります。
特に中規模以上の病院と介護施設からの需要は高い状況が延々と続いているのが現実です。病院では診療報酬制度の改定によって、より多くの看護師を起きたいと考える病院が多くなっている影響があります。
人材を増やすことで現場の仕事の質が向上するとも期待できるため、人材を雇う予算がある中規模以上の病院でその傾向が強まっているのが現状です。また、介護施設では慢性的に人材不足が続いており、増える高齢者への介護の需要に追いつけない事情があります。
離職率が高い看護師業界の影響
看護師不足が起こっている原因の一つに離職率の高さも影響しています。
女性が大半を占めているのが看護師業界の特徴であり、若くして離職してしまう人が増える原因となっているのは明らかです。
結婚や出差を機会にして専業主婦になってしまう人は常に多いのが実情となっています。
看護師の仕事は忙しすぎてなかなか家事や育児との両立ができないと考えるのが一般的です。結果として、結婚や出産を契機にして離職する看護師が多く、看護師不足に拍車がかかる状況となっています。
対策として進められる支援制度
離職率の高さを軽減できれば看護師不足の問題は概ね解消されるでしょう。潜在看護師と呼ばれる資格を有していながらも働いていない人たちを現場に戻せれば十分な人材が確保できるからです。
その点に着目して復職支援や再就職支援が地方自治体や病院レベルで実施されるようになってきました。無料で講習を受けて復職が行えたり、ブランクを受けるための研修を受けられたりする制度が充実してきています。
また、院内託児所を設置したり、保育園との提携を行ったりして離職をする看護師を減らそうという試みも病院レベルからよく行われているのが現状です。これによって職場に残ったり、復職を果たしたりする看護師も増えているものの、未だに充足できるほどの人数が確保できていません。