看護師になりたくて、憧れの看護師像を持って看護師になった新卒看護師。こうなりたい、ああなりたいと心をふくらませて職場を訪れた4月。
1か月、3カ月、半年、一年と経過し、何か違和感を感じる、自分は看護師に向いていないと漠然と感じている2年目を迎えようとしている看護師もいるでしょう。そんな違和感に耐えられず、もう退職してしまった新卒看護師もいるでしょう。
新人看護師だから早期に判断して新しい道へ、新しい職場へと環境を変えることが出来やすい状況もあります。やり直しがききやすい立場でもあります。
しかし、本当に向いていないのでしょうか?
リアリティショックと言う言葉を聞いたことがありますか?
誰もが通る道、これを乗り越えて一人前の看護師を目指してみませんか?
リアリティショックとは
入職して半年から1年、新人看護師は様々な気持ちの変化を伴います。
業務内容や、看護師と言う仕事に対して思い描いた内容と違っていたり、白衣の天使を夢見たら痛い目を見たなどと理想と現実の違いや壁にぶち当たります。これをリアリティショックと言います。
その壁に耐え、何とか仕事の科がREを理解でき始めるとこのショック状態は緩和され、回復に向かうと言われています。
しかし、プリセプターや、先輩看護師などの適切なフォローを得られなければ、そのショックを乗り越えられず、退職や看護師自体を辞めてしまうという結果に至ることがあります。
新人看護師のリアリティショックの内容
- 仕事内容への驚きと適応できるかの不安
- 実践看護の難しさを実感
- 出来ていること、出来ることが分からない、分かっていないことすら分からない
- 業務の身体的、肉体的疲労を実感
- コミュニケーションの大変さを実感
- 患者さんや家族のクレーム対応へのショック
- 先輩や同僚と自分を比較して自信を無くす
- 指導や怒られることで向いていないと感じる
- 自分の非力を実感
- 担当患者さんの死による精神的ショック
- 日勤業務の一人立ちや夜勤導入による不安
リアリティショックを乗り越える方法
リアリティショックに押しつぶされていては、看護職として適応していくことは困難です。
一人前の看護師になるための、一つの壁、それを乗り越えることが成長の一歩です。
- 研修参加や勉強会参加による知識強化
- 同期と話すことにより不安や思いを表出する
- 分からないこと、不安なことを先輩に聞き、出来るようになる方法を模索する
- 何度も何度も、自信が出るまでチェック、指導してもらう
- 出来るようになったことに着目し、自身の成長を感じる
- 患者さんの反応を見て、褒められたこと、お礼を言われたことを励みにする
- 死や命に対して真摯に考え、人の最期をどう関わるべきか考える
- 死を悲しむことが看護であるのかを考える
- 話せる先輩看護師を見つける
怒られる理由
新人看護師は、よく怒られます。それは、当然で一人前になるための試練です。
自分だけではありませんし、もちろん、師長さんも、主任さんも、先輩看護師も、プリセプターも、みんなが経験してきたこと。
なぜなら、命の現場だからです。
患者さんの命を預かり、他人の大切な人の命を預かる職業である為です。
看護師が未熟なことにより患者さんの不利益の原因、ストレスの原因となることはあってはならないことだからです。
未熟なのは当然、誰しも初めはできません。
しかし、怒る方も怒りたいわけではない、成長を期待して怒るのです。
最後に
理想はあくまでも理想です。実際と違うのは当然です。その壁に立ち向かい、乗り越えてこそ、真の看護師ではないでしょうか。
怒られていい時期が新人時代、怒られながら成長するのです。
聞くことが出来るのが新人時代で、経験を重ね時期が経つと聞けなくなる時期が来ます。
しっかり悩んで、教えを乞い、一人前と思われる看護師を目指しましょう。