看護師をする上で、日々必ず行うことがバイタルサインの確認です。バイタルサインをとるだけではなく、そこから患者さんが発するサインを読み取り、活かせなければ測定する意味がありません。
正しく測定し、その数値や他の患者さんの発する症状を組み合わせ、その身体状況をアセスメントする必要があります。
今回は、バイタルサインの正常と異常を理解し、明日から使えるアセスメントの基本情報をまとめてみました。
そもそも、バイタルサインってなに!?
バイタルサインは、生きているという証拠。体温があり、心臓が拍動し、息をして、血液循環があることです。意識があり、排尿排便があり、刺激に対して反応がある状態も、生きている証として挙げられますが、その中でも、体温、脈拍、呼吸、血圧をバイタルサインと言います。
バイタルサインの異常
- 体温:35度以下/42度以上
- 脈拍:40回/分以下
- 呼吸:1分間以上の無呼吸
- 血圧:収縮期血圧60mmhg以下
バイタルサインの正常・異常
体温:正常は、36~37度
一人一人平熱が異なり、自身の平熱を知っておく必要があります。日差があり、午前2時~午前6時に体温が最も低く、午後3時~午後10時に最高を示します1日の内、1度以内の差が正常です。基礎代謝、運動、新陳代謝等で熱が発生し、年齢や体格、仕事や運動、活動により一人一人異なります。微熱を37度~37.5度程度、高体温は39度~41度をいいます。ヒトの細胞は、体温34度以下、中枢神経細胞は41度以上で異常を来たします。
脈拍:正常は、1分間に60~100回の拍動が正常です。
50回以下や100回以上、不規則な拍動は心臓系の異常を意味します。脈拍は、心拍数を表し、年齢や活動により脈拍数は異なります。
- 高齢者:60~70回/分
- 成人:60~80回/分
- 思春期:70~80回/分
- 学童期:80~90回/分
- 乳児:120回/分前後
- 新生児:130~140回/分
血圧:血圧とは、心臓のポンプ作用により全身をめぐる血液の状態です。
心臓から送り出された血液が、動脈の血管を押し広げようと血管壁に加える圧のことです。最も縮んだ時を収縮期圧(最高血圧)、最も広がった時を拡張期圧(最低血圧)と言います。
- 成人:最高血圧110~130/最低血圧60~90mmhg
- 学童:最高血圧100~120/最低血圧60~70mmhg
- 幼児:最高血圧90~100/最低血圧60~65mmhg
- 乳児:最高血圧80~90/最低血圧60mmhg
- 新生児:最高血圧60~80/最低血圧60mmhg
(高血圧)
- ステージⅠ:最高血圧140~159/最低血圧90~99 mmhg
- ステージⅡ:最高血圧160~1⑦9/最低血圧100~109 mmhg
- ステージⅢ:最高血圧180以上/最低血圧110以上mmhg
(ショック状態)
最高血圧が60mmhg以下となると、生命に関わる致命的な状態だと判断し、重篤は状況と判断します。
呼吸
人が、酸素を吸い、その酸素が全身をめぐり二酸化炭素となったものを吐き出すことです。
(呼吸の種類)
胸式呼吸:胸郭(肋間筋)運動による呼吸
腹式呼吸:横隔膜運動による呼吸
(正常な呼吸)
- 成人:16~20回/分
- 学童:20~25回/分
- 幼児:20~35回/分
- 乳児:30~40回/分
- 新生児:40~50回/分
最後に
バイタルサインの測定で、正常以上を判断し、これから行うべき指示や処置の予測や、その患者さんの身体的経過が予測できます。正常を知っておかなければ正しい判断はできません。判断が出来なければ、その測定に意味を感じられませんし、そんなケアを患者さんは望んでいません。正常さえ押さえておけば、「大丈夫かどうか」だけは分かるはずです。この基本を押さえて明日から意味のあるバイタルサイン測定を行いましょう。