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    認知症高齢者の理解~今、看護師に求められている事と対応~

    認知症とは、疾患や急病と異なり、「今、発症した」「これからどう治療し経過をたどっていく」と特定が出来ない病態です。初めは、軽い物忘れから始まり、いつの間にか進行、いつの間にか対応困難となると言うケースもあります。

    状態の変化する高齢者に対し、周囲の困惑はもちろんのこと、高齢者自身何が起きているのかわからず、より状態が悪化してしまうと言うことがあります。

    「出来ていたことが出来なくなる」「さっき出来たのに今出来ない」「また、出来るようになった」と回復と悪化を繰り返し、徐々に出来ないことが増えたりすることもある為、本人と周囲の戸惑いは高いものです。

    正しい理解をし、困惑する高齢者とその関係者への適切な対応が出来る看護職者になりましょう。

    看護師に出来ること

    • 高齢者の戸惑い、苦痛、困惑、不安を受けとめ、共感・理解し、安心できるようにゆったりとした関わりと言葉かけで安心感を与える。
       
    • 優しさの提供、「大丈夫」「心配ないよ」と落ち着いて接する。
       
    • 行動や行為に対し、「どうしたの」「なにかあった」と声をかける、そして、その返答に対して否定せず、受けとめる。
       
    • 幻聴や幻視、焦燥感や困惑に対しては、気を紛らわせるよう気分転換や安全の確保を実践する。
       
    • 家族や関係者の気持ちや戸惑いに傾聴し、どう対応すればよいか助言する。
       
    • 嘘をつかない、誠実に、叱らない、一緒に落ち込まない、信頼関係構築を目指す。
       
    • 観察する。
       
    • 「あなたの味方だよ」と言う姿勢。
       
    • 危険予知、回避が出来ない場合は、解決策を練り実行する。

    周囲の対応

    • 気になることを気に留める。
       
    • 出来ること、出来ないこと、出来なくなっている事、性格の変化や特徴を気に留め、医療職者や看護師に話す。
       
    • 不安や疑問、対応に困っている事を抱え込まない。
       
    • 出来ないこと、出来なくなっている事に対して叱らない、傷つける言動に出ない。
       
    • 時に認知症高齢者のする事に目をつむり、許す姿勢、仕方ないと考える心のゆとりを持つ。
       
    • 介護が困難とならないよう、早めの保険制度などの活用により介護負担を和らげる対応をとる。
       
    • 認知症高齢者に対して、何かを強要したり、しなければならないと押し付けない。

    注目すべきところ

    痴呆症

    • 性格や言動、行動、服装など
       
    • 清潔、不潔でこれまで綺麗好きだった人が急に無頓着になる、女性は化粧・男性はひげそりなどの習慣を気にしなくなるなど
       
    • 言葉や指示する言葉かけに対する反応や理解力など
       
    • 記憶能力、注意力、危険予知能力、判断力など
       
    • 穏やかだった人が怒りっぽくなる、おしゃべり好きな人が無口になるなど

    認知症の症状は、急激に悪化するのではなく、徐々に、回復と悪化を繰り返しながら進行していきます。今日出来ないことが今日はできる、また、その逆もあります。

    よって、認知症を捉えられず、放置し悪化していくケースもあります。

    まとめ

    長い人生、いろんな生活背景、成長環境、経験など誰一人として同じ人生を送っている高齢者はいません。その分、認知症の症状や経過、進行状況は異なります。

    しかし、高齢者の求めていることは、「安心できること」「自分の味方がいること」「恐怖や不安が無いこと」ではないでしょうか。

    出来ないと言われることすら分かりません。何が出来ているのかという評価はいりません。今、この高齢者の状況がその方の「ありのまま」なのです。

    否定せず、そのありのままを受けとめ関わる思いやりを求められているのではないでしょうか。

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