病気は早期発見と早期治療が重要と言われますが、自覚症状に乏しい病気は自分でみつけることが難しいといわれます。そのため、予防医学では定期的に人間ドックを受診することを勧めています。
人間ドックを実施している健診センターに転職を考えている人は、人間ドックで発見できる病気を知っておくと便利です。
人間ドックで発見できるがんの種類
人間ドックを受診する多くの人は、がんの早期発見を期待しています。
しかし、人間ドックを受けたからといって、すべてのがんを発見できるわけではありません。また、人間ドックで受ける検査によっては、発見できるものとそうでないものがあります。
人間ドック学会では、検査項目の基準を設けており、それに基づいて検査を実施しているところが多いです。それらの基本的な検査で発見できるのは、主に胃がん、大腸がん、肺がんです。
胃部は、胃バリウム検査もしくは胃内視鏡検査にて発見できます。
近年では胃内視鏡検査を実施している設備も多く、胃がんの発見率は昔よりもあがっています。
また、大腸がんは、一部の施設では大腸カメラを実施していますが、便潜血検査にて調べるところがほとんどです。
一方、肺がんに関しては人間ドックで実施されるのは胸部エックス線検査なので、小さながんを早期に発見することは難しいという現状があります。そのため、肺がんが心配という人は、人間ドックにオプションをつけることで、CT検査や喀痰検査を追加するのが一般的です。
生活習慣病健診のリスクもわかる
また、発見できる病気はがんだけではありません。
高血圧や糖尿病、高脂血症など生活習慣病のリスクもわかります。
これらの判定に必要なのは血圧測定と採血です。
生活習慣病は、症状こそありませんが、進行すると心疾患や脳血管疾患などを引き起こします。人間ドックでは、受診者さんに血液データなどから病気のリスクと進行することによる危険性を伝えています。
人間ドックの目的はスクリーニング
しかし、人間ドックの目的はあくまでスクリーニングです。
人間ドックで異常を指摘された場合には、必ず受診を勧めます。
このように人間ドックではがんや生活習慣病の早期発見に努めています。
しかし、人間ドックで異常がでても受診をしなければ、早期発見や治療へと結びつけることができません。
検査を実施するだけではなく、異常を指摘された受診者さんが受診行動をとれるようサポートすることも重要です。