お年寄りのケアを行う上で看護師の就業場所の選択肢の一つとなるのが介護関連施設です。介護福祉士さんを主とする現場ですが、看護師にも重要な任務があります。
病院のように忙しく、日々の業務に必死と言う時間の流れではなく、お年寄り一人一人とじっくり関わり、その方のペースに合わせた時間の流れを共有できる現場であります。
では、介護関連施設における看護師の役割を見ていきましょう。
介護関連施設で働く人々
施設で働く職種は、介護医療に関わる仕事が多いようです。しかし、利用者の健康や栄養を管理したり、収支に関する業務を行うコメディカルスタッフも多く働いています。
- 介護福祉士、社会福祉士、ヘルパーさん、ケアマネージャー
- 医師(委託などもある)、看護師、准看護師、看護助手
- 理学療法士、作業療法士
- 事務員、管理栄養士、栄養士
施設で働く看護師の業務
介護施設において現在、看護師の配置を義務付けられています。
それは、時代の流れや、高齢化により医療処置を多く必要とする利用者の増加や、健康管理が必要な高齢者が増えている、寿命の延長などによるものと考えられています。
- 利用者の健康管理、検温等による健康チェック
- 衛生管理や感染症予防
- 定期内服薬や持病による服薬等の薬剤管理
- 利用者の急な発熱や病気に対する対応
- 利用者の急変、救急対応
- 創処置や褥創処置
- 他のスタッフに対する衛生、感染指導や予防対策
- 医師、他スタッフとの調整
- レクリエーションや外出などの際の付き添いと、安全管理
- 日常生活の支援(食事、排泄、清潔)
施設内容
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
在宅復帰を望めない、在宅での受け入れ困難な要介護者を受け入れる施設。
利用者100人に対し、介護職は31名以上必要ですが、看護師は3名程度で認可がおります。24時間常駐の義務はなく、看護師はオンコールなどで夜間緊急時の連絡対応とする施設が多いです。 - 介護老人保健施設
在宅復帰を目的とした介護施設。
医師の常勤と、看護師の24時間勤務が必須です。
利用者100人に対し、介護職は24名以上、看護師は10名以上の配置が必要です。
社会復帰を目的とする為、リハビリテーションや規則正しい生活の徹底があります。 - 有料老人ホーム
介護度に関わらず入居可能で、ここで最期を迎えることもできます。
利用者は、要介護度に関わらず自己負担が多いのが特徴です。
サービスの多様化、最期を迎えるためにどう過ごしたいかを、利用者が決めることが出来ます。
介護関連施設での看護師の役割
おもに必要なことは、利用者の生活を支援し、安全で安楽な生活を実現することです。
利用者に対する医療処置は多くはありませんが、近年高齢化による利用者の増加から服薬管理、吸引や褥創処置、経菅栄養、人工肛門や腎ろうなど医療行為の利用が増えています。
しかし、介護職者の研修により医療行為を一部代行できるような風潮も見受けられ、一部では、痰の吸引や胃ろうの接続などは介護職者が行う施設もあります。
また、看護師は、健康管理の重要ですが、利用者とよく話し、笑いを提供し、単調な日々の生活に花を咲かせられるような関わり、人と人との関わりを提供することも役割の一つです。
最後に
介護関連施設における看護師の役割は、医療の観点のみではなく、利用者の日々の満足いく生活を実現すると言う役割が重要となります。
その方に寄り添い、会話し、目を合わせて時間の流れを共有すると言う、日々の忙しさに荒れることがあると言う病院とはちょっと違った役割を担うことがあります。
利用者の生活の質向上に目を向けて、残りの時間を存分に満喫できる生活サポートが出来ると看護師としてのやりがいを感じられるかもしれません。