プリセプターとは、新人看護師の教育担当ということはご存知ですね。
多くの病院でこの方式を用いた新卒教育が行われています。
プリセプターは、新人看護師のお姉さん的存在で、助言や指導により自分の看護知識や技術、教育し伝えるということを学ぶという趣旨も含まれています。
自分の今まで培ってきた知識や技術は正確であったか、もう一度見直し、それを次の人材に伝える能力を養うということです。よって、病院にもよりますが、入職後3年から5年程度の看護師が担当することが多いようです。
では、新年度を迎えプリセプターを言い渡された看護師さんもいることでしょう。
プリセプターの苦悩について考えてみましょう。
プリセプティだったころ
プリセプティ(新人看護師)のころ、プリセプターは怖い、話しにくい、聞きにくい、こんなこと聞いてって思われたらどうしよう等と考えるあまり、あまり関わりたくない存在であったのがプリセプターの存在ではないでしょうか。
この先輩言っていることが分からない、教えるのが下手、他の先輩と違うことを言われてどっちを信じていいかわからないと感じたころがあったのではないでしょうか。
プリセプターの悩み
しかし、実際自分がプリセプターになると、教えることのむずかしさ、自分の中途パンパは知識の為に新人さんの質問に応えられないなど、困難感により投げ出したくなることがあるでしょう。
- 自分の理解している知識が実は伝わらず、勉強不足を感じる
- 分かっていても、伝えることが難しい
- 教えても新人が知識や技術の習得に時間がかかる
- 自分も新人時代出来なかったけれど、伸びない新人に苛立ちを感じる
- 自分の指導力の無さに落胆、焦りを感じる
- なんとなく焦燥感に駆られる
- 周りの先輩、上司の目が気になる
悩みの克服法
◆自分の知識や技術に自身が無くなった時は、もう一度勉強しなおすチャンスです。
一人で考え学習するのもいいですが、新人さんと一緒になって突き詰めて考える、再学習することも自身のレベルアップに良いでしょう。
再度学習することは恥ずかしいことではありません。新人さんも、どう勉強すればいいか迷っているかもしれません。その手助けもできるでしょう。
◆伝えることの難しさを感じる、指導力の無さに気持ちが滅入る場合は、自分が教わって時期を思い返してください。その時、上手だなと感じた先輩の教え方を真似てみてください。
そして、自分で背負いこむのではなく、どうすれば上手に教えられるか、先輩の意見を聞いてみましょう。
プリセプターが完璧に教育できると感じている先輩看護師はいないでしょう。教えながら学ぶのがプリセプターの立場でもあります。
◆新人さんに対して覚えが悪い、苛立つこともあるでしょう。人間ですから一時の気持ちのゆがみは仕方ないことです。
しかし、自分の新人時代の新人としての苦悩を思い返してください。きっと、同じような出来ないことを悩む時代もあったでしょう。
焦らずゆっくり教えてください。教育者の焦りは、新人さんの焦りや、「自分は看護師に向いていない」とマイナス思考に向けてしまう恐れがあります。
プリセプターのあなたが「ドン」と構えてあげてください。
◆プリセプターとして回りの眼が気になることもあるでしょう。「自分は指導者として度思われているだろうか」、「えらそうに、自分もできないくせに」と思われてはいないか、「教え方が下手だから、新人が育たない」と判断されるのではないかなどと気になることもあるでしょう。
しかし、ある意味、試されているのがプリセプターでもあります。この数年の自分の看護師として学んだ成果を見れているの当然です。
だから、迷った時は先輩に相談なのです。
自分ひとりで何とかしなければならないのではありません。先輩に聞いて、再学習し、確実な知識を身につけると言うことも、大切な使命なのです。
最後に
プリセプターをして始めて感じる先輩や自分を教えてくれたプリセプターの苦悩。その立場になってみると、案外うまくいかないものです。
しかし、それを分かったことがもう、成長の一歩を果たしたということなのです。プリセプターだからしっかりしないといけませんが、看護師は一生学習、一生成長の職業でもあります。
新人さんの味方でいられるように、自己研鑽し正しい知識を伝えてあげるのがお姉さん看護師のプリセプターの役割ではないでしょうか。
新人さんが一番つらい時期をしている時に、呆れた表情は出さないでくださいね。暖かく見守る優しい指導者でいてください。