化学療法とは一般的に抗がん剤治療などの薬物治療のことをいいます。
全身のがん細胞を死滅させることが目的で行う治療方法です。
そのような治療を行う診療科を化学療法科と呼びます。
もともとは感染症の治療を化学療法と読んでいましたが、化学の進化によって薬物療法の重要性が高まり、化学療法でカバーできる範囲が拡大しました。
現在抗生物質のような化学物質ではないものを投与する治療方法も化学療法と称する場合もあります。
がん治療に化学療法が最適である理由
先程も記述したように化学療法科ではがん治療に携わることが主になっています。
がんに対する治療法として手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つに分かれます。
放射線治療は悪性腫瘍のある部位に放射するのですが、患者さんの身体への負担が小さく、1回の治療が短時間で完了することが可能です。
しかし、放射線治療は医師の技術によって大きな差があります。
同じ効果を得られるわけではありませんので、どの医師に治療してもらうのかが重要になってきます。
しかし抗がん剤治療のような化学療法の場合は特定された部位だけでなく身体全体をカバーできるので、がん細胞が他の臓器に移転した場合にも有効になります。
化学療法科の看護師の業務内容
化学療法は以前に比べて副作用も大きくありません。
しかし、それでも副作用が全くない、というわけではありません。
このときに化学療法科で働く看護師は患者さんの訴えにつねに耳を傾けなければなりません。
痛みを抑えるためのケアも必要ですが、精神面でのケアも非常に重要な業務内容になってきます。
入院患者と共に通院患者にも同様になります。
なぜ、精神面でのケアが重要なのでしょうか。
それは医師からガン宣告をされた人は必ずと言っていいほど絶望の淵に立たされます。
今まで感じたことのない「死」を身近に感じるようになってしまいます。
これは仕方のないことかもしれませんが、そのような状態が長く続くことでがんの進行を加速する要因にもなりかねません。
そうならないためにも多方面からのケアが必要になります。
さらに幅広いがん治療における知識やスキルが必要になります。
質問されることに適切に答えることができる知識を身につけておかなければなりません。
化学療法科で働く看護師
化学療法科での看護師の業務内容は治療に携わることや豊富な知識、論理的に説明できる力もそうですが、最も必要なことは患者さんの立場に立って、理解する、ということです。
看護師の一般的な業務内容と違う、と言われるかもしれませんが、化学療法科ではこの患者さんの精神面のケアが必要不可欠なのです。