「保健師」とは、人々が病気に罹患するの予防するとともに、心身ともに健康な状態で生活が出来るように手助けを行う人のことです。よく似た職業に「医師」や「看護師」がありますが、保健師は予防や健康増進にフォーカスが置かれているのが特徴です。
具体的な仕事内容は、健康診断で病気の早期発見を行う、病気の予備軍を見つけて、適切や食生活や生活指導を行う、などです。
仕事の対象となる人は乳児から高齢者までと大変幅広く、業務の内容も多岐にわたります。医学の知識が求められることもあり、この仕事に携わるためには看護師の資格が必要不可欠です。
保健師になるにはどのようにすればよいか
この仕事をするためには、まず看護師の資格を取得しなければなりません。
看護師になるためには、看護師専門学校あるいは短期大学を卒業後、看護師国家試験に合格する必要があります。その上で、国が指定した学校や養成所で保健師になるために必要な知識や技術を身につけます。
一部の看護専門学校や4年制の看護大学では、卒業と同時に看護師と保健師の受験資格が得られるところもあります。必要な準備が全て整ったら、年に1回実施される国家試験を受験します。これに無事合格すれば、晴れて保健師になることが出来ます。
国家試験の難易度と合格率はどのくらいか
保健師になるための国家試験は、毎年1回、2月に実施されます。
試験の内容は、公衆衛生看護学、疫学、保険統計学、および保健医療福祉行政法で、筆記試験と実技試験の両方が課されます。
試験は1日かけて行われ、午前と午後では内容の異なる試験が実施されます。
この試験は助産師国家試験と同様、毎年合格率は高めに推移しており、年によって異なるものの、合格率はだいたい80%から90%程度となっています。この試験は、養成学校できちんと勉強をしていれば十分に合格が見込める難易度と言えます。
看護師との明確な違いとは
ちなみに、この仕事は看護師とよく比較されますが、両者には明確な違いがあります。
それぞれの資格の詳細は法律にもしっかり明記されており、看護師には出来ない仕事にも携わることが出来ます。
また、それぞれの活躍の場も異なり、看護師が病院で勤務するのに対し、保健師は地域の保健所を始め、企業や学校の保健室など、実に多種多様な場所で活躍することが出来ます。もちろん、看護師と同様に病院で働くことも出来ます。その場合は、看護師と同じ業務を任されることが多いようです。