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    増加する認知症患者への対応~看護師としての高齢者への接し方~

    高齢者への理解はありますか?
    高齢者の対するイメージはどのようなものがありますか?
    気難しそう、面倒くさい、物忘れがある、物知り、昔のことに詳しい、のんびり癒されるなど、様々な意見があるでしょう。

    今の高齢者がいなければ、現在のわたしたちは存在しません。
    その年に至るまでの多くの経験や背景を理解し、正しく関わらさせてもらいたいものです。

    高齢化の進む今、認知症を発症する高齢者もいます。
    その認知症への正しい理解と対応を知り、その人らしい生活の維持を支援できる看護師になりましょう。

    認知症

    認知症が進行すると、こちらの何かをするという説明や関わりに対して、納得や許容する子地が困難となります。何のために、何故、どのように、いつなど認知症高齢者の頭の中には多くの「はてな」が飛び交います。

    「トイレに行きましょう」に対して、
    ・トイレってなに
    ・トイレはどうゆう事
    ・何をすればいいの、どこに行けばいいの
    ・何を用意すればいいの
    ・どうしてしなければならないの

    指示された行動に移せない、それを実践するための行動が分からないという状況があります。

    トイレという言葉が理解できない、それが行動なのか、ものの名前なのかなどこれまでしていたことを出来ない、知らない、分からないと言う症状があります。

    認知症の患者さんと関わる上での注意点

    ・ケアの拒否
    患者さんの中では、ごく初期、自分でも「何だかわからない」「なんでできないのか」と困惑してしまう事があります。正気な時と、症状出現時とを行き来し、自分でも受け止めきれない時、ケアの拒否がおこります。

    「出来る」と思いたい、「人の力を借りたくない」との思いや、周囲の認知症患者と自分を比較して「あぁはなりたくない」と関わられることを拒むことがあります。

    また、認知症や進行してくると、「何をされるかわからない」「この人は誰なのか」と疑念や不安が高まり、ケアの拒否に繋がる場合があります。

    初期の認知症、進行した認知症どちらにおいても関わりに対して拒否をすることがあり、尊厳や人権、その方のプライドを守る対応により尊重した対応を求められます。

    認知症高齢者への接し方

    痴呆症
    ・「拒否」
    名前を呼び、目を合わせ、その方のペースや行動に合わせて動く。対等、また、尊敬の意を表しながらマナーと礼節を持った対応をする。会話や対話を心掛け、安心できるように、「拒否」に対しては、無理強いしない、受けとめられる「OK」のサインが出るまで待つことを繰り返します。

    そうする事で、「自分にとって害ではない」と認識され、ケアを受け入れてもらえることがあります。また、その行為が終われば、また関係は振り出しに戻ることもありますが、毎回丁寧に、じっくりと関わる余裕が必要です。
     
    ・「帰宅願望」
    入院患者、施設入所利用者、デイサービス利用者、医療・介護施設利用の認知症高齢者は、「お家に帰りたい」「家に帰らせて」と訴える場合があります。

    「帰れない」「帰れるところはない」「ここにいてください」と言う言葉掛けは、不安や焦燥感を助長します。嫌なことに対して、嫌悪感を高め、病院や施設では「離院」「脱出」という行為に至り危険を冒してしまう場合もあります。

    「ここが良いところ」と思えるような環境を用意したり、少し一緒に散歩や気分転換に歩いたりして気をそらしたり、その人の興味や関心のある事を話したりして「帰りたい」気持ちを忘れるようコミュニケーションを図ります。

    不安が強い場合は、一緒に腰を掛け、背中をさする、頷いて理解を示すなど安心感を提供できるよう関わります。
     
    ・「徘徊」
    いつも、そわそわしていて、落ち着かない、フロアや病棟をうろうろしている認知症高齢者がいます。時に袖が原因で転倒したり、帰る場所が分からなくなったりと言うトラブルが発生する事があります。

    うろうろする高齢者に対して「座りなさい」「行ってはいけません」「なんで動き回るの」「こけたらどうするの」と叱ったり、注意する事は逆効果です。

    時に、幻覚や幻聴により徘徊と言う行為に至ったり、ものすごく気になることや気がかりがあってそういう行為になることもあります。

    「なぜ、徘徊しているのか」「今の気持ち、心理状態はどうであるか」と関心を寄せ、その気持ちに寄り添う気持ちが必要です。

    「そっか」「気になっているのですね」「不安ですね」などと理解を示し、危険が無いよう付き添う事も必要です。無理やり徘徊と言う行為をやめさせることはできないと認識する事が必要です。

    まとめ

    認知症高齢者への対応は、一人一人性格が違うように症状も異なるために多様です。
    しかし、どの人にも言えることは、これまで暮らしてきた人生があり、歩みがあります。

    その尊厳やその人のプライドを守る対応が必要です。
    認知症かもしれないと感じ始めるごく初期から、自分と他人、物や行為が分からなくなる重度の認知症の人など段階や進行は個人差があります。しかし、「快」「不快」の思いははっきりしている為、その人にとって「嫌なことをしない」事が大切です。

    意思を無視しない、阻止しない中で、安心安全への配慮を持ち関わることで、その一瞬の信頼関係を結べることが大切ではないでしょうか。

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