棟の仕事は日中だけではありません。夜も患者さんの状態を把握する必要があります。しかし、夜勤はどのように行っているか、入院などをしない限り、なかなか想像がしにくいものです。
今回は看護師が夜勤はどのように動いているかを、とある病棟勤務を例に紹介していきます。
夜勤の特徴
夜勤では、通常の日勤と違って看護師の人数は少なくなります。なぜなら、夜勤の人数が多ければ多いほど、そこに従事する看護師の夜勤が増えて負担が大きくなってしまうからです。
また、日勤と比べて患者さんが眠っていることが多く、処置が少ないことも理由のひとつです。
とある病棟の夜勤における仕事内容
夜勤で勤務するときには、日勤で患者さんにどのようなことが起こったのかをカルテなどを見て把握します。これは日勤と同じですが、情報収集のポイントとしては、夜勤に関係あることに注目することです。
例えば、日勤で急に患者さんが即日入院となった場合は夜勤で処置を行う場合があります。その上、どのような患者さんなのかしっかりと把握する必要があります。
また、認知症の患者さんが日中に不穏な様子がみられた場合には、夜勤で患者さんが徘徊などをしてしまうかもしれません。そのような情報に重点をおいて、全体の患者さんの情報を得ていきます。
日勤と違い、夜勤では多くの患者さんを受け持つためほとんどすべての患者さんの情報を得ておく必要があるのです。
そして、情報収集が終わったら夜勤を担当する看護師としてあいさつをしにいきます。このときに、カーテンを閉めたり、環境整備が必要なお部屋はついでに行うと良いです。
また、患者さんとのコミュニケーションも欠かせません。
夕食、朝食の配膳や食事の介助も夜勤で行います。
これは日勤と同じですが、認知症の患者さんが多い場合には、ナースステーションや食堂などの一カ所で食事介助を行うことが多いです。なぜなら、夜勤では看護師の人数が少ないためです。目を離してしまい患者さんの身に危険が及ぶようなことはあってはいけません。
また、夜勤で点滴が必要な患者さんや、24時間持続で点滴をしているような人へは薬剤の管理も行っていきます。特に夜勤では患者さんが眠っているので、その間に点滴が漏れてしまっても患者さん本人が気づかないこともあります。
そのため、患者さんが眠っている間にも、点滴の滴下数はあっているか、点滴が入っているところは腫れていないかなどの確認を行います。
一方、急性期病棟などでは夜間に急変する患者さんもいるので、そのような場合にはその対処も行っていきます。必要に応じて医師や家族に連絡をしたり、亡くなった場合にはエンゼルケアを行います。
このように夜勤では看護師の人数が少ない中でお互いに協力しながらすべての患者さんをみていきます。環境整備や点滴の管理、食事など身の回りのお世話をして、患者さんが夜間も安心して過ごせるようお手伝いをするのです。