「あの患者さん、苦手」「はぁ、自分が行かなきゃいけないのか」と患者さんに呼ばれて気持ちが沈むという事があります。なんだか合わない、空気が重い、なるべくなら関わりたくないなど、負の感情に振り回されることがあります。
しかし、人を対象とする職業で、看護師は患者さんを選べません。
また、患者さんも看護師を選ぶことはできません。
実は、そう思っている患者さん自身も、あなたに期待をしていない、あなたとの関わりはなるべく避けたいと感じているかもしれません。
患者さんへの苦手克服方法について考えてみましょう。
自分を振り返ろう
本当に、苦手の原因は患者さんなのでしょうか?
あからさまにあなたの方が、苦手を空気や態度で示していませんか?
親しめる雰囲気は出せているでしょうか、話しかけやすい雰囲気は出せていますか。
大切なのは、患者さんを理解しよう出来ているかと言う事です。
その苦手な患者さん、不安や悩みを抱えていませんか?
近々、大きな検査や手術、治療を予定されてはいませんか?
患者さんの精神状態を理解し、イライラや恐怖と付き合う、寄り添う事は出来ていますか?
実は、患者さんが親しんでくれない、壁を感じる理由は、あなたの態度かもしれません。
コミュニケーション方法
とりあえず、はじめましての表情で自分の感情は無くして声をかけてみましょう。
心機一転、その人の先入観を無くし、笑顔で患者さんを訪れてみましょう。
そうすると、新しい気持ちでその人を理解しようと関われることが出来ます。
そして、患者さんの良いところや共感できることを見つけましょう。
- 辛い治療に耐えて頑張っているのかもしれません。
- 家族にも悩みを打ち明けず、一人で戦っているかもしれません。
- 見舞いもなく、身よりもなく、本音を胸に秘めて療養しているかもしれません。
- 余命を聞かされて心がザワついているかもしれません。
- 急な入院でパニックや明日からの不安があるかもしれません。
患者さんの真の気持ちに入り込もうとする気持ちが患者さんに近付ける要素なのです。
他にも、自分本位のケアになっていませんか?
患者さん重視と言われる中、業務に追われ、しなければならないと達成へ目が向き、患者さんを置き去りにしたケアとなっていませんか?
患者さんだって、心の準備はいりますし、タイミング的に今なしてほしくないという感情もあります。それを無視して強引にケアや処置を行うような人に心を許せません。
表情においても、自分の感情むき出しは止めてください。困ったときでも、追いつめられていても、患者さんの前では、笑顔と堂々とした関わりで接してください。
看護師の不安表情は、患者さんに伝播します。時に、患者さんにイラッとしても、そこでの感情は押さえてください。患者さんと喧嘩をしてもなんの利益にもなりません。
割り切り
看護師は専門職です。
四六時中患者さんと関わるわけで江は無いので、これは仕事と割り切って対応する事も職業人として必要な手段です。
苦手意識はあっても、患者さんはどの人に対しての平等であらなければなりません。
まとめ
苦手な患者さんに対して、苦手と言うオーラを出して関わることが、より患者さんを遠ざけてしまう原因となります。看護師はサービス業とも言います。
患者さんなっての看護職と言う事も踏まえて、患者さんへの対応を見直しましょう。
苦手克服は、一旦のリセットと、偏った目線の排除から始まるのではないでしょうか?